テクニカル分析の【弱点】:突然の「悪材料(倒産・不祥事)」の前では全てのサインが無力である

投資分析・短期トレード・基礎用語学科

「お金持ち養成大学」へようこそ。
これまでの講義で、移動平均線、MACD、ボリンジャーバンドなど、数々のテクニカル指標を学んできました。

「ゴールデンクロスが出た!」
「バンドウォークが始まった!」
チャートが示す強力な買いシグナルを見て、あなたは自信満々でエントリーするでしょう。

しかしその翌朝、その企業の不祥事がニュースで報じられ、株価はストップ安。チャートの形など跡形もなく崩れ去り、含み損だけが残る…。 そんな悪夢のような経験をしたことはありませんか?

この記事は、テクニカル分析が持つ致命的な【弱点】を理解し、チャートが機能しない「異常事態」から身を守るための、リスク管理の講義です。

第1章:チャートは「過去の足跡」に過ぎない

テクニカル分析の大前提に、「ダウ理論」の『平均株価はすべての事象を織り込む』という言葉があります。
業績も、ニュースも、投資家の心理も、すべてはチャートの形に表れている、という考え方です。

しかしこれには重大な例外があります。それは『今この瞬間に起きた、突発的な悪材料』です。

  • 巨大な粉飾決算の発覚

  • 社長の逮捕

  • 工場の大火災

  • 突然の倒産発表

これらは、昨日のチャートには1ミリも織り込まれていません。
テクニカル指標は、あくまで「過去のデータの計算結果」です。未来に起きる交通事故を、過去の走行データから予測することが不可能なように、突発的な事故の前では、移動平均線もRSIも、ただの無力な線になってしまうのです。

第2章:サインが消滅する恐怖の「窓開け暴落」

通常の相場であれば「サポートラインで反発する」や「RSIが売られすぎで反発する」といった予測が機能します。
しかし特大の悪材料が出た時、市場は【機能不全】に陥ります。

売り注文が殺到し、買い注文が蒸発する。 その結果、株価は値段がつかないまま気配値を切り下げ、チャート上に巨大な【下窓(ギャップダウン)】を開けて、ストップ安に張り付きます。

あなたが設定していた「損切りライン(逆指値)」さえも飛び越えて、遥か下で約定してしまう。
これがテクニカル分析が通用しない「真空地帯」の恐怖です。ここではどんな優れた分析も、チャートパターンも、一切の意味を持ちません。

第3章:不可避の事故から資産を守る「3つのシートベルト」

事故を予測することはできません。しかし事故が起きた時のダメージを最小限にすることはできます。

  1. 【分散投資】(最大の防御)
    一つの銘柄に全財産を賭けてはいけません。もしその株が紙くずになっても、資産全体の5%程度のダメージで済むように、資金を分散させておくこと。これこそが、予測不能な悪材料に対する唯一にして最強の防御策です。

  2. 【ファンダメンタルズ】の確認
    テクニカルだけで株を買う時も、最低限の「財務(自己資本比率)」や「業績」はチェックしましょう。倒産や粉飾のリスクが高い「ボロ株」を避けるだけで、地雷を踏む確率はグッと下がります。

  3. 【妄信】を捨てる
    「チャートが完璧だから、絶対に上がるはずだ」という思い込みを捨てること。「明日、何が起きてもおかしくない」という健全な猜疑心を持つことが、致命傷を避ける直感に繋がります。

第4章:学園長が「完璧なチャート」のFXで大損した日

私も、かつてFX投資でテクニカル分析を過信し、痛い目を見た経験があります。
これは絶対上がるというパーフェクトチャートで、投資を行って数時間後に、ニュースの要人発言で経済にタカ派な意見があり、一気に暴落しました。

この経験から、私は学びました。 『テクニカル分析は、平常時の“天気予報”にはなるが、突発的な“大地震”までは予知できない』と。
だからこそ私は今でも、どんなに良いチャートでも過信せず、コア戦略として株式の長期積立分散投資をベースにして、個別株はサテライト戦略枠として夢や未来を描く物語の投資として行っています。

まとめ:あなたは“リスクの管理官”たれ

テクニカル分析は、万能の水晶玉ではありません。 それは、過去のデータを整理した、優れた統計ツールに過ぎません。

ツールに頼りすぎず、ツールの限界を知る。 そして、いつツールが壊れても生き残れるよう、命綱(資金管理)を用意しておく。

今日からあなたは、チャートを過信する信者ではありません。 予測不能な未来に備え、最悪の事態でも資産を守り抜く、賢明なるリスクの管理官なのです。

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