「売上が頭打ちになっている…、次の一手が見つからない…」
「毎日忙しく働いているのに、なぜか利益が伸びない…」
「新しい顧客を獲得するための広告費ばかりがかさんでいく…」
もしあなたが、このような経営の壁に突き当たっているなら、その突破口は、あなたの会社の「外」ではなく「内側」に眠っているのかもしれません。
今回ご紹介するのは、世界中の経営者やマーケターから「伝説のコンサルタント」と称される、ジェイ・エイブラハムの『ハイパワー・マーケティング』。
この本は、派手な最新マーケティング手法を追いかけるものではありません。むしろ、ほとんどの企業が見過ごしている自社内の「隠れた資産」や「未開発の機会」を最大限に活用し、最小限のリスクで爆発的な成長を生み出すための、普遍的な原理原則を教えてくれます。
この記事では、本書の根幹をなす「ビジネスを成長させる3つの方法」をはじめ、今日からあなたのビジネスに応用できる強力なアイデアを、具体的な使い方や事例と共に徹底解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたは自社のビジネスをまったく新しい視点で見つめ直し、明日から何をすべきかが明確になっているはずです。
ビジネスを成長させる方法は、たった「3つ」しかない
ジェイ・エイブラハムは断言します。どんなビジネスであれ、売上を伸ばす方法は、突き詰めれば以下の3つしかない、と。多くの経営者は、複雑な問題に目を奪われ、このシンプルな真実を見失っています。
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顧客数を増やす
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顧客単価を上げる
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購入頻度を上げる
たったこれだけです。そして、この3つの要素をそれぞれ少しずつ改善するだけで、ビジネスは劇的に成長するのです。
方法1:顧客数を増やす
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教えの核心: 新規顧客を獲得するためのあらゆる手段をテストし、最適化する。
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解説: これは最も分かりやすい成長方法ですが、多くの企業が非効率な方法に固執しています。重要なのは、一つの方法に頼るのではなく、複数のチャネルを試し、効果を測定することです。
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使い方・実践例:
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紹介プログラムの導入: 既存の満足した顧客に、友人を紹介してもらうためのインセンティブ(割引やプレゼント)を用意する。
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戦略的アライアンス(ジョイント・ベンチャー): あなたの顧客が興味を持ちそうな、競合しない他のビジネスと提携する。例えば、地域の工務店が、不動産屋やインテリアショップと提携し、お互いの顧客を紹介し合う。
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見込み客へのアプローチ改善: 広告のヘッドラインや、ウェブサイトの問い合わせフォームの文言を少し変えるだけで、コンバージョン率は大きく変わります。常にテストを繰り返しましょう。
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方法2:顧客単価(平均取引額)を上げる
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教えの核心: 一度買ってくれた顧客に、より多くのお金を払ってもらう仕組みを作る。
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解説: 新規顧客を獲得するには多大なコストがかかりますが、既存顧客の単価を上げるのは、それよりもはるかに簡単で高収益です。
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使い方・実践例:
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アップセル: 顧客が買おうとしている商品よりも、ワンランク上の高価な商品を提案する。(例:「こちらの標準プランも良いですが、月々あと1,000円で、サポートが充実したプレミアムプランはいかがですか?」)
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クロスセル: 買おうとしている商品に関連する別の商品を提案する。(例:ハンバーガーを買う客に「ご一緒にポテトはいかがですか?」と尋ねる)
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パッケージ化(バンドリング): 複数の商品をセットにして、個別に買うよりお得な価格で提供する。
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方法3:購入頻度(リピート率)を上げる
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教えの核心: 一度買ってくれた顧客に、忘れられる前にもう一度買ってもらう。
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解説: 多くの企業は、商品を売った瞬間に顧客との関係が終わってしまいます。これは、金の卵を産むガチョウを野に放つようなものです。
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使い方・実践例:
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積極的なフォローアップ: 商品購入後、お礼の連絡をするのはもちろん、一定期間後に「その後の調子はいかがですか?」と連絡したり、関連する役立つ情報を提供する。
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バックエンド商品の用意: まずは手頃なフロントエンド商品を買ってもらい、信頼関係を築いた後で、より高価なバックエンド商品を提案する。
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会員制度や定期購入モデルの導入: 顧客を囲い込み、継続的な売上を確保する。
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【重要】レバレッジの力: もし、これら3つの要素をそれぞれたった10%改善できたとしたら、どうなるでしょうか? 1.1(顧客数) × 1.1(顧客単価) × 1.1(購入頻度) = 1.331 つまり、売上は33.1%も増加するのです。これが、ジェイ・エイブラハムが説くレバレッジの力です。
あなたのビジネスを変える「3つの強力なコンセプト」
「3つの方法」を実践する上で、あなたのマーケティングを根底から変える、さらに強力な3つのコンセプトをご紹介します。
1. USP(Unique Selling Proposition):独自の売りを定義せよ
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教えの核心: 「なぜ、お客様は競合ではなく、あなたから買わなければならないのか?」この問いに、明確に答えられなければならない。
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使い方: あなたのビジネスが持つ、他社にはない「独自の強み」を、顧客にとっての「価値」として言語化します。それは、「最高品質」や「最高のサービス」といった曖昧なものではいけません。
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例:
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悪いUSP: 「地域で一番のイタリアンレストラン」
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良いUSP: 「3世代で楽しめる、アレルギー対応メニューが充実した、個室のあるイタリアンレストラン」
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良いUSP: 「注文を受けてから30分以内にお届けできなければ、代金はいただきません」(ドミノ・ピザの有名なUSP)
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2. リスク・リバーサル:顧客のリスクをすべて取り除け
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教えの核心: 商品を買う際の、顧客が感じる不安やリスクを、すべて売り手であるあなたが引き受ける。
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使い方: 顧客が「これなら試しても損はないな」と感じるほどの、強力な保証を提示します。これにより、購入への心理的ハードルが劇的に下がります。
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例:
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一般的な保証: 「30日間返金保証」
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強力な保証: 「もしこの英語教材を3ヶ月試してTOEICのスコアが100点アップしなかったら、授業料を全額返金するだけでなく、迷惑料として1万円をお支払いします。」
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3. 卓越性の戦略(The Strategy of Preeminence):単なる売り手になるな
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教えの核心: 顧客の業界で、最も信頼されるアドバイザーとしての地位を確立する。
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使い方: 商品を売ることだけを考えるのではなく、顧客のビジネスが成功するために、心から尽くします。時には、自社の商品を売らないという選択肢さえも提示します。その誠実な姿勢が、揺るぎない信頼を生み、結果として顧客はあなたからしか買わなくなります。
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例: 顧客から相談を受けた際、自社の商品よりも他社のサービスの方が顧客のためになると判断したら、正直にそちらを勧める。その顧客は、今回はあなたから買わなくても、将来的にもっと大きな案件で、必ずあなたを頼るようになります。
まとめ:灯台下暗し!宝はあなたの足元にある
『ハイパワー・マーケティング』が教えてくれるのは、魔法のような一発逆転の秘策ではありません。しかし、それ以上に価値のある、あなたのビジネスに眠る価値を再発見し、それを体系的に成長へと繋げるための「思考のフレームワーク」です。
今すぐ、あなたのビジネスを「3つの方法」で分析してみてください。
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顧客数を増やすために、まだ試していないことは?
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顧客単価を上げるために、すぐにできる提案は?
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購入頻度を上げるために、今日から送れる一本のメールは?
答えは、あなたが思っているよりもずっと近くに、あなたの足元に転がっているはずです。
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