「お金持ち養成大学」へようこそ。
「財務」「決算書」と聞くと、多くの人が「数字が苦手だから…」「専門家がやることでしょう?」と、そっとページを閉じようとします。
もし、あなたのビジネスの未来を予測する究極の水晶玉を、AIへの“コピペ”一つで今日から手に入れられるとしたら、話は別ではないでしょうか?
財務モデリングとは、あなたのビジネスの「健康状態」を正確に把握し、科学的に未来を予測するための、最強のスキルです。
この記事では、難解な理論は後回し。まずは、AIに渡す「魔法のプロンプト」をあなたに授けます。それをコピペするだけで、会社の健康状態を示す3つの重要な書類「PL・BS・CF」が連動した、未来予測モデルの雛形が完成します。
さあ、もう数字に怯えるのは終わりです。AIをあなた専属のアナリストにして、未来をシミュレーションする方法を学びましょう。
第1章:なぜこれが「究極の健康診断書」なのか?
私たちが健康診断を受ける時、「体重」「血圧」「血液検査」など、様々な角度から体をチェックしますよね?会社の健康診断も同じです。主に3つの側面からチェックします。
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PL (損益計算書) = 今年の「収支報告書」
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「今年1年で、どれだけ稼いで(売上)、どれだけ使って(費用)、結局いくら儲かったのか(利益)?」を見るための書類です。
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BS (貸借対照表) = 今この瞬間の「財産目録」
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「今の時点で、会社はどれくらいの財産(資産)を持っていて、どれくらい借金(負債)があるのか?」を見るための書類です。
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CF (キャッシュフロー計算書) = 「お金の動き」明細書
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「利益は出ているはずなのに、なぜか手元にお金がない…」といった事態を防ぐため、「実際に、現金がどう動いたのか?」を追跡する書類です。
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財務モデリングの真髄は、これら3つの書類が、実は互いに深く連動しているという事実を理解し、その連動性をExcel上で再現することにあります。
第2章:3つの診断書を解剖する
ここでは、あなたが週末だけ開く「小さなオンラインカフェ」を例に、3つの書類を具体的に見ていきましょう。
① PL (損益計算書):儲かってる?
1年間の成績表です。
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売上: コーヒー豆の売上 (100万円)
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費用: 豆の仕入れ代、広告費、サイト維持費 (70万円)
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利益: 差し引き (30万円) → シンプルですね。今年は30万円の儲けが出た、ということです。
② BS (貸借対照表):健康な財産状況?
ある特定の日(例:決算日)の、財産のスナップショットです。
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資産(左側): 会社が持つ財産。現金、コーヒー豆の在庫、PCなど。
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負債(右側上): いずれ返さなければいけないお金。銀行からの借入金など。
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純資産(右側下): 返さなくてもいい、本当の自己資本。あなたの出資金や、過去の利益の蓄積。 → 「資産 = 負債 + 純資産」というルールが必ず成り立ちます。
③ CF (キャッシュフロー計算書):血液はサラサラ?
1年間で、手元の現金が「なぜ」「どれだけ」増減したかを示します。
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営業CF: 本業(コーヒー販売)でどれだけ現金が増えたか。
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投資CF: 新しいPCを買うなど、将来のための投資でどれだけ現金が減ったか。
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財務CF: 銀行からお金を借りたり、返したりして、現金がどう動いたか。
→ 利益は出ていても(PLが黒字)、大きな投資をすると手元の現金は減ります。このお金の流れを把握することが、会社の命綱です。
第3章:点と点を線で結ぶ ― 3つの表の連動性
ここが財務モデリングの心臓部です。3つの表は、以下のように繋がっています。
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PLの「利益」が、BSの「純資産」を増やす
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今年儲かった30万円は、会社の財産(純資産)として蓄積されます。
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BSの資産・負債の「変化」が、CFに影響する
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新しいPC(資産)を買えば、投資CFがマイナスになります。銀行から借入(負債)をすれば、財務CFがプラスになります。
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CFの最終的な「現金の増減」が、BSの「現金」残高を決める
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1年間の活動の結果、手元の現金が50万円増えたら、期末のBSに記載される「現金」は、期首から50万円増えているはずです。
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この連動のルールをExcelの数式で組むこと。それが財務モデリングです。
第4章:Excelで未来を予測する ― 仮説検証シミュレーション
連動モデルが完成したら、いよいよ未来予測です。
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「仮説(Assumption)」を立てる:
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「もし、来年の売上が20%伸びたらどうなるだろう?」
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「もし、来年新しい焙煎機を50万円で買ったら、資金は持つだろうか?」
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Excelに仮説を入力する:
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Excelシートに、この「仮説」を入力するセルを用意します。
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未来が自動計算される:
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売上20%UPと入力すると、連動した数式によって、来年のPL、BS、CFが一瞬で自動計算されます。利益がどうなるか、手元の現金はいくらになるか、全てが可視化されるのです。
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これにより「この投資は無謀か、それとも可能か」といった経営判断を、勘ではなく、データに基づいて行うことができるようになります。
第5章:AIに設計図を描かせる ― 魔法のプロンプト
「理論は分かったけど、実際にExcelで組むのは大変そう…」 そう感じたあなたのために、AIにモデルの雛形を作ってもらうための「魔法のプロンプト」を授けます。これをコピーしてChatGPTやGeminiに貼り付けるだけで、あなたの財務モデリングは9割完了します。
【コピペ用プロンプト】
あなたはプロの財務アナリストです。
初心者でも理解できるように、シンプルな3期分の財務3表(PL, BS, CF)連動モデルを、Excelにそのまま貼り付けられるマークダウンの表形式で作成してください。
# 前提条件(仮説)シート
以下の仮説に基づいて、将来の2期分を予測してください。
- 売上高成長率: 20%
- 売上原価率: 60%
- 販管費: 10万円(固定)
- 法人税率: 30%
- 設備投資: 毎年5万円
- 減価償却費: 固定資産の10%
- 売掛金回転日数: 30日
- 買掛金回転日数: 15日
# 財務3表の連動ルール
以下の連動性を数式で(あるいは概念として)明確に反映させてください。
1. PLの「純利益」が、BSの「利益剰余金」に加算される。
2. BSの各項目の前期からの差分が、CFの計算に使用される(特に運転資本)。
3. CF計算の結果算出された「期末現金残高」が、BSの「現金及び預金」と一致する。
4. BSの貸借が必ず一致する(資産合計 = 負債純資産合計)。
上記を踏まえ、第1期の実績値と、それに基づく第2期、第3期の予測値を表にまとめてください。
このプロンプトをAIに渡すだけで、連動性が担保された財務モデルの骨格が完成します。
あとは、生成された表をExcelにコピーし、前提条件の数字をあなたのビジネスに合わせて変えてみてください。AIが、あなたの専属アナリストとして未来をシミュレーションしてくれるはずです。
第6章:AIを“専属コンサルタント”にする ― 数字を「言葉」に変える対話術
さて、AIのおかげで、あなたのビジネスの未来を予測するExcelモデルが完成しました。しかし、数字が苦手な方にとっては、ここからが本番です。
「で、この数字の羅列は、結局どういう意味なの?」と。
心配ありません。その「数字を言葉に翻訳する」作業も、AIに丸投げしてしまいましょう。
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あなたの数字を入力: まず、完成したExcelモデルに、あなた自身のビジネスの仮説(売上予測など)を入力します。
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結果をAIに貼り付け: AIによって予測された、将来のPL、BS、CFの主要な数字をコピーし、AIチャットに貼り付けます。
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“診断”を依頼する: そして、以下のプロンプトを投げかけます。
【コピペ用プロンプト Ver.2】
あなたは優秀な経営コンサルタントです。
以下の私のビジネスの将来予測データ(PL, BS, CF)を読み解き、プロの視点から診断してください。
[ここに、あなたのExcelからコピーした主要な数字を貼り付ける]
診断にあたっては、以下の3つの観点から、専門用語を避けて、私のような初心者でも理解できるように、箇条書きで分かりやすく説明してください。
1. **健全な点(強み):** この事業計画の、特に優れている点や、ポジティブな兆候はどこですか?
2. **懸念点や問題点(弱み):** このまま進んだ場合に、将来的に問題となりそうなリスクや、注意すべき点はどこですか?
3. **具体的な改善アクション:** 懸念点を解消し、さらに事業を成長させるために、私が今から取るべき具体的な行動を3つ提案してください。
これだけで、AIはあなたの専属コンサルタントへと変身します。
「利益は伸びていますが、営業キャッシュフローが悪化傾向にあります。これは、売掛金の回収が遅れているサインかもしれません。まずは、請求サイクルを見直してみてはいかがでしょうか?」 といったように、数字の羅列の裏にある「意味」と「次の一手」を、AIが“言葉”で教えてくれるのです。
まとめ:あなたは“未来の経営ドクター”たれ
財務モデリングとは、過去の健康診断書(決算書)を読み解き、それらを繋ぎ合わせることで、「もし、こんな生活習慣(経営戦略)を送ったら、将来の健康状態(経営状態)はどうなりますか?」と、未来の姿をシミュレーションする技術です。
難しく考える必要はありません。まずは、あなた自身のビジネスや、応援したい会社の決算書を眺め、この3つの書類がどう繋がっているのかを想像してみてください。
その視点こそが、あなたを単なるビジネスパーソンから、未来を見通す“経営のドクター”へと進化させる、最初の一歩なのです。
これで、ビジネスの「仕組み(ビジネスモデル)」と「数字(財務モデル)」という、成功の“器”の作り方を学びました。
しかし、本当に重要なのは、その器にどんな“魂”を注ぐかです。シリーズ最終回は、成功者の頭脳そのものをAIにインストールする「思考モデリング」について解説します。
→ 続きを読む:『AI時代の思考モデリング』
