「お金持ち養成大学」へようこそ。
あなたは、風邪を引いて買った市販薬のレシートを、どうしていますか?病院へ行くために使った、電車代の記録は?
もしそれらを「ただのゴミ」として捨てているなら、あなたは毎年、数千円、時には数万円のお金を、自らの手でシュレッダーにかけているのと同じかもしれません。
多くの人が「医療費控除」を「大きな手術や入院をした人だけが使える、自分には関係ない難しい制度」だと勘違いしています。しかし、それは大きな誤解です。
医療費控除とは、国が用意してくれた「払い過ぎた税金を、合法的に取り戻すための宝の地図」なのです。
この記事は、その宝の地図を解読し、あなたが捨てていたはずのレシートを“金券”に変えるための、究極の錬金術です。
第1章:ほとんどの人がハマる「医療費控除」3つの罠
なぜ、多くの人がこの“宝”を見つけられずにいるのでしょうか?そこには、3つの大きな思い込み(罠)があります。
-
罠①:「10万円の壁」という誤解
「年間の医療費が10万円を超えないと使えないんでしょ?」これは、半分正解で、半分不正解です。正しくは「10万円、または総所得金額の5%の、どちらか低い方」を超えればいいのです。例えば、年収300万円(総所得約200万円)の方なら、医療費が10万円を超えれば対象になります。
そして最大のポイントは、この金額が「生計を同一にする家族全員の合計額」であることです。あなた一人の医療費が少なくても、家族分を合算したら、意外と簡単に10万円の壁は越えられるのです。 -
罠②:「病院代だけでしょ?」という思い込み
医療費控除の対象は、病院の窓口で支払った金額だけではありません。この記事の核心である、市販薬、交通費、ドラッグストアでの購入品など、あなたが「これは医療費じゃない」と思い込んでいる、ありとあらゆるものが“宝”に変わります。 -
罠③:「手続きが面倒くさい」という先入観
かつては大量のレシートを貼り付けて…といった面倒な作業が必要でした。しかし、今はe-Tax(電子申告)の登場で、自宅のPCやスマホから、驚くほど簡単に申請が完了します。
第2章:宝の地図を解読 ― これも“医療費”になる!意外なリスト
さあ、あなたの家の中に眠る「宝」を探しに行きましょう。これらも全て、医療費として合算できます。
【忘れがちな“お宝”リスト】
-
市販薬の購入費: ドラッグストアで買った風邪薬、胃腸薬、鎮痛剤、湿布薬など、治療目的の医薬品は全て対象です。(※ビタミン剤などのサプリメントは対象外)
-
病院への交通費: 通院のために利用した電車やバスなどの公共交通機関の運賃も、立派な医療費です。領収書は不要ですが「いつ、どこへ、いくらで」行ったかをメモしておく習慣をつけましょう。(※自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外)
-
歯の治療費: 保険適用の治療はもちろん、インプラントやセラミックといった高額な自由診療、さらには発育段階の子供の歯列矯正も、治療目的であれば対象になります。
-
出産・不妊治療関連費用: 定期健診や検査費用、入院費用はもちろん、不妊治療や人工授精の費用も対象です。
-
その他:
-
医師の処方箋で購入したメガネやコンタクトレンズ代
-
松葉杖やコルセットなどの購入費
-
レーシック手術の費用
-
禁煙治療の費用
-
第3章:錬金術の実践 ― 宝を“現金”に変える3ステップ
ステップ1:集める ― “医療費ボックス”を作る
今日から、家の中に一つの箱を用意し、「医療費ボックス」と名付けましょう。病院の領収書、薬局のレシートなど、医療に関わる全ての紙を、とにかくそこに入れる習慣をつけるのです。交通費は、スマホのメモ帳などに記録しておきましょう。
ステップ2:計算する ― 年末の大掃除
年末になったら、そのボックスの中身を全て出し、家族ごとに集計します。Excelやスプレッドシートを使えば簡単です。
ステップ3:申請する ― 確定申告で“還付”を受ける
翌年の2月16日〜3月15日に行われる「確定申告」で、計算した医療費を申告します。会社員の方(年末調整をしている方)でも、この医療費控除の申請(還付申告)は可能です。
特にe-Taxを利用すれば、税務署に行かなくても、スマホ一つで完結できます。
まとめ:あなたは“制度の探求者”たれ
医療費控除とは、面倒な手続きではありません。
それは、あなたが国や社会に対して真面目に義務(納税)を果たした上で、正々堂々と受け取ることができる「権利」であり「ボーナス」です。
その権利を知らずに、あるいは面倒くさがって行使しないのは、銀行に預けてある自分のお金を引き出しに行かないのと同じです。
今日からあなたは、ただの納税者ではありません。 制度の隅々まで知り尽くし、1円でも多く自らの資産を守り抜く、“制度の探求者”なのです。 その第一歩は、今あなたの財布に入っている、そのレシートを捨てないことから始まります。
