『売上高』より『営業利益』を見よ: 企業の“本業の強さ”を見抜く【損益計算書(PL)】の読み方

投資分析・短期トレード・基礎用語学科

「お金持ち養成大学」へようこそ。
企業の決算書と聞いて、多くの人が真っ先にチェックする数字。それは、その会社の「顔」とも言える【売上高】ではないでしょうか?
「売上高1兆円!なんて凄い会社だ!」
「前期比で売上20%アップ!これは買いだ!」

しかし、もし、その巨大な売上高が、利益を度外視した“見かけ倒し”の数字だとしたら…?

投資のプロは、「売上高」という“派手な顔つき”に騙されません。彼らが見ているのは、その会社が【本業】でどれだけ稼ぐ力を持っているかを示す、ただ一つの数字。それが、【営業利益】です。

この記事は、あなたが決算書の「表面的な数字」に踊らされるのをやめ、その会社の“本当の筋肉(=稼ぐ力)”を見抜くための、実践的な【損益計算書(PL)】の読み方です。

第1章:【損益計算書(PL)】とは会社の成績表

まず、【損益計算書】(PL = Profit and Loss Statement)とは何かを、シンプルに理解しましょう。 これは、会社が「ある一定期間(例:1年間)で、どれだけ儲けたか(あるいは損したか)」を示す、【成績表】です。

この成績表には、主に5つの「利益」が書かれていますが、初心者はこの違いが分からず、混乱してしまいます。

  1. 売上総利益(粗利):売上高から、商品の「原価」だけを引いた利益。

  2. 営業利益:【最重要】。本業で稼いだ利益。

  3. 経常利益:本業の利益に、銀行への利息支払いや利息の受け取りなど(財テク)を加味した利益。

  4. 税引前当期純利益:突発的な儲けや損失(リストラ費用、資産売却益など)まで加味した利益。

  5. 当期純利益:最終的に会社に残った、株主の取り分となる利益。

第2章:なぜ【売上高】だけ見てはいけないのか?

売上高は、単なる「人気投票」の結果に過ぎません。 極端な話、原価100円のモノを90円で売れば、赤字を垂れ流しながらでも「売上高」だけは作れてしまいます。

  • A社:売上高 1000億円 / 営業利益 1億円 (営業利益率 0.1%)

  • B社:売上高 100億円 / 営業利益 10億円 (営業利益率 10%)

A社は、見た目はB社の10倍も大きいですが、その実態は「薄利多売」どころか、ほとんど利益を残せていない“自転車操業”かもしれません。
一方でB社は、小さいながらも、売上の10%を確実に利益として残す【筋肉質な経営】ができています。 あなたが投資家なら、どちらの会社に未来を感じるでしょうか?

第3章:【営業利益】こそが“本業の強さ”を示す唯一の証

私たちが、投資家として最も知りたいこと。それは、『その会社が、本業のビジネスで、継続的に稼ぎ出す力があるか』です。
それを正確に示すのが、【営業利益】(と、それを売上高で割った【営業利益率】)なのです。

営業利益 = 売上総利益(粗利) − 販管費(人件費、広告費、家賃など)

なぜこれが最重要なのか?
それは、この数字が、その会社の「本業」以外のノイズを全て排除してくれているからです。

  • 「経常利益」は、本業がダメでも、財テク(株や為替)が上手ければ良く見えてしまいます。

  • 「当期純利益」は、本業が赤字でも、たまたま土地が売れれば(特別利益)、黒字に見えてしまいます。

【営業利益】だけが、その会社が持つ「商品力」「販売力」「ブランド力」といった、“本業の総合力”を、裸にして見せてくれるのです。

まとめ:あなたは“本業を見抜くアナリスト”たれ

売上高は、その会社の「規模」を示します。
しかし営業利益は、その会社の【強さ】を示します。

規模は大きくても、中身がスカスカの会社。 規模は小さくても、筋肉質で高収益な会社。 あなたが、長期的なパートナー(株主)として付き合いたいのは、どちらでしょうか?

今日からあなたは、ただ売上高の大きさに驚く傍観者ではありません。 その数字の裏に隠された、企業の“本業の強さ”を見抜く、“賢明なるアナリスト”なのです。

【次のステップへ】 おめでとうございます! これであなたは賢明なる投資家の視点を手に入れました。

しかし、こう思いませんか? 「この知識を使って、4,000社もある日本株全部を分析するのは、正直、面倒くさい…」

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