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多くのテクニカル指標(移動平均線やMACDなど)は、過去のデータを計算して「現在の状態」を示します。つまり、どうしても反応が遅れる「遅行指標」になりがちです。
しかし、日本人が開発したある指標だけは、チャートの右側、つまり【まだ見ぬ未来】の空間に線を引くことができます。 それが【一目均衡表(いちもくきんこうひょう)】です。
「一目見れば、相場の均衡(バランス)が分かる」という名の通り、このチャートは相場の「方向」だけでなく、【時間(いつ動くか)】までも予測しようとする、世界でも類を見ない哲学的なツールです。
この記事は、一見複雑に見える5本の線と「雲」の意味を理解し、相場の未来地図を描くための、日本古来の秘伝講義です。
第1章:【一目均衡表】を構成する5本の線
一目均衡表は、以下の5本の線で構成されています。難しそうに見えますが、役割さえ覚えれば簡単です。

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【転換線】(赤色など):
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短期(9日間)のトレンドを示します。移動平均線の「短期線」に近い役割です。
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【基準線】(青色など):
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中期(26日間)のトレンドを示します。これが上を向いているか下を向いているかが、相場の【基準】となります。最も重要な線の一つです。
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【先行スパン1・2】:
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【未来】(26日先)にずらして描かれた2本の線。この2本の線の間が、後述する【雲】になります。
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【遅行スパン】:
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【過去】(26日前)にずらして描かれた線。実は、開発者が「最も重要」と言ったのがこの線です。
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第2章:未来の抵抗帯【雲(クモ)】のメッセージ
一目均衡表の最大の特徴は、先行スパン1と2の間を塗りつぶした【雲(抵抗帯)】です。
この雲は、チャートの「未来」の部分に表示されており、株価の行く手を阻む壁や、下支えするクッションの役割を果たします。
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【雲の上】に株価がある時:
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雲は【支持帯(サポート)】になります。株価が落ちてきても、雲がクッションとなって反発しやすくなります(上昇トレンド)。
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【雲の下】に株価がある時:
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雲は【抵抗帯(レジスタンス)】になります。株価が上がろうとしても、雲に頭を抑えられて叩き落とされやすくなります(下降トレンド)。
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【雲の厚さ】:
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雲が【厚い】ほど、その抵抗(または支持)は強力です。簡単には抜けられません。
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雲が【薄い】場所、あるいは雲がねじれている場所(変化日)は、抵抗が弱く、トレンドが転換しやすいポイントになります。
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第3章:最強の確認シグナル【遅行スパン】
そして、もう一つの主役が【遅行スパン】です。 これは、「今日の終値」を「26日前の過去」に書き込んだだけの線です。
なぜ、そんなことをするのか?
それは『今の株価』と『26日前に買った人たちの株価』を比較するためです。

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【好転(買いサイン)】:
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遅行スパンが、26日前のローソク足を【下から上へ】抜いた時。
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意味:「今買った人は、26日前に買った人よりも儲かっている」。つまり、相場が強気に転じた決定的な証拠です。
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【逆転(売りサイン)】:
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遅行スパンが、26日前のローソク足を【上から下へ】抜いた時。
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意味:「今買った人は、26日前に買った人より損をしている」。含み損の投資家が増え、売り圧力が強まるサインです。
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第4章:学園長が「雲」を使って“待ち”を極める時
私は頻繁な売買はしませんが、長期的なトレンドの変わり目を見る時に、一目均衡表の【雲】を見るように心がけています。
例えば、下落していた株価が反発し、「お、上昇トレンド入りか?」と思った時。
普通のチャートなら飛びつく場面でも、一目均衡表を見ると、そのすぐ上に【分厚い雲】が待ち構えていることがあります。
「まだ早い。この分厚い雲(=過去に高値掴みした人たちの売り圧力)を抜け切るには、もっと時間がかかる」 そう判断し、私は買いを見送ります。
そして株価が時間をかけて雲の中を進み、雲が薄くなったところを【すり抜けた瞬間】、あるいは【雲の上】に出て定着した瞬間。
そこではじめて「障害物はなくなった。ここからは青空だ」と確信し、エントリーするのです。
一目均衡表は、私に「焦って動くな。相場には、機が熟すための【時間】が必要なのだ」ということを、視覚的に教えてくれるのです。
肌感、そこまで強く意識する分析ではありませんが、知っておいて損はないはず。
まとめ:あなたは“相場のタイムトラベラー”たれ
移動平均線が「現在」を知るツールなら、一目均衡表は「過去」と「未来」を繋ぐツールです。
雲の厚みで未来の難易度を知り、遅行スパンで過去との決着を知る。
今日からあなたは、目先の値動きしか見えない近視眼的なトレーダーではありません。 時間軸を自在に行き来し、相場の全体像を俯瞰する、賢明なる相場のタイムトラベラーなのです。
