フィボナッチ・リトレースメント入門: なぜ株価は「38.2%」「61.8%」で反発するのか?

投資分析・短期トレード・基礎用語学科

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株価が上昇トレンドにある時、一直線には上がらず、必ず「調整(下落)」を挟みます。 投資家にとって最大の悩みは、「この調整(下落)は、一体どこまで続くのか? どこで下げ止まって反発するのか?」ということでしょう。

その「反発ポイント」を、驚くべき精度で予言する魔法の数字があります。 それが、「38.2%」「61.8%」です。

これは、ひまわりの種の配列や、台風の渦巻き、パルテノン神殿の比率にも見られる【黄金比(フィボナッチ数列)】から導き出された数字です。 なぜ、自然界の法則が、人間の欲望が渦巻く株式市場にも当てはまるのか?

この記事は、あなたがチャート上に「魔法の定規」を当て、反発ポイントを科学的に予測するための、フィボナッチ・リトレースメント入門講義です。

第1章:【フィボナッチ】とは?自然界と相場を支配する黄金ルール

フィボナッチ数列とは、「1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21…」と続く数列で、前の2つの数字を足すと次の数字になるという法則を持っています。 この数列から導き出される比率(0.618など)は、人間が最も「美しい」「心地よい」と感じる【黄金比】と呼ばれています。

投資の世界では、この黄金比を応用し、「株価が上昇した後、どのくらい戻す(リトレースする)か」を測るために使われます。

主要なラインは以下の3本(+1本)です。

  1. 【38.2%】:強いトレンドの時の、浅い押し目。

  2. 【50.0%】(半値戻し):フィボナッチ数ではないが、心理的に意識される重要なライン。

  3. 【61.8%】:ここが最終防衛ライン。深い押し目。

  4. 【100%】(全戻し):上昇の起点を割ると、トレンド終了。

第2章:なぜ「38.2%」や「61.8%」で止まるのか?

「たまたまでしょ?」と思うかもしれません。
しかし市場に参加しているのは【人間】です。人間が黄金比を「心地よい」と感じる生き物である以上、集団心理が形成するチャートもまた、無意識に黄金比のリズムを刻んでしまうのです。

さらに現代では、もっと直接的な理由があります。 それは『世界中のAIやトレーダーが、このラインを見ているから』です。

「前回の上昇幅に対して、38.2%下がったところ(押し目)で買おう」 世界中の投資家がそう考え、そこに大量の指値注文を置く。だから、実際にそこで下げ止まり、反発する。 これを【自己実現的予言】と呼びます。 フィボナッチは、単なるオカルトではなく、市場参加者の共通言語(ルール)となっているからこそ機能するのです。

第3章:フィボナッチを使った「押し目買い」の実践

使い方は非常にシンプルです。 チャートツールの「フィボナッチ・リトレースメント」を選び、【直近の安値】から【直近の高値】に向けてドラッグするだけです。 すると、自動的に「38.2%」「50%」「61.8%」のラインが表示されます。

  • 戦略①:打診買い(38.2%) 勢いが強い時は、38.2%の浅い押し目で反発します。「上昇トレンドが強い」と判断したら、ここで一部を買います。

  • 戦略②:本命買い(61.8%) もし38.2%や50%を割っても、焦る必要はありません。61.8%という「黄金の壁」が待っているからです。 ここで下げ止まり、ローソク足が反転のシグナル(下ヒゲなど)を出したら、自信を持ってエントリーします。

ただし、61.8%を明確に割り込んだら、それは「調整」ではなく「トレンド転換」の可能性が高いため、損切りを検討すべきです。

第4章:学園長が「黄金比」に癒やされる時

この大学の学園長である私は、インデックス投資家ですが、暴落時には必ずこのフィボナッチを引きます。 それは、売買のためというより【パニックになった心を鎮めるため】です。

株価が急落し、「どこまで下がるんだ!底なし沼か!?」と恐怖した時。 長期チャートにフィボナッチを当ててみると、不思議なことに、過去の暴落の多くが、上昇幅の「61.8%」などのラインでピタリと止まっていることに気づきます。

「ああ、今回の下げも、デタラメに起きているわけではない。市場のリズム(呼吸)の一部なんだ」
そう理解するだけで、恐怖は和らぎ、「61.8%ラインまで来たら、少し買い増ししてみようかな」と、冷静に戦略を立て直すことができるのです。 フィボナッチは、私にとって相場のカオスの中に秩序を見出すための、精神安定剤のようなツールです。

そのラインをさらに突破したら、絶好の買い場が来たと浮足立ってしまうでしょう。

まとめ:あなたは“自然の摂理の観測者”たれ

市場は、人間の心理が作るものです。そして人間は、自然の一部です。 だからこそ、市場の動きにも、花びらの数や貝殻の形と同じ、美しい法則が宿ります。

無秩序に見える値動きの中に、美しい調和を見出す。

今日からあなたは、値動きに翻弄されるカオスの中の住人ではありません。 黄金比という定規を使い、相場のリズムを測る、賢明なる自然の摂理の観測者なのです。

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