【要約】FACTFULNESS|データで世界を正しく見る、10の思考法

ビジネス書籍教材学部

「世界は、どんどん悪くなっている…」
「貧困、紛争、環境破壊…もう未来に希望なんてない」
「ニュースを見るたびに、暗い気持ちになってしまう」

もしあなたが、そんな風に感じているのなら、この記事で紹介する一冊の本が、あなたの世界の見方を根底から覆し、冷静な希望を与えてくれるかもしれません。

医師であり、公衆衛生の専門家であったハンス・ロスリングによる世界的ベストセラー『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』。

この本は、「世界は良くなっている」と楽観論を語る本ではありません。
それは、私たちがなぜ世界を「事実(ファクト)」に基づいて見ることができず、ドラマチックで悲観的な思い込み
に囚われてしまうのか、その原因である10の「本能」を解き明かし、データに基づいて世界を正しく見るための、思考のツールキットを提供してくれる、究極の教養書です。

この記事では、その核心的な教えを、具体的なアクションプランと共に、誰にでも分かるように要約して解説します。

なぜ、チンパンジーより賢いあなたが「世界を間違う」のか?

著者は、世界の現状に関するシンプルなクイズを、世界中のエリートたち(ノーベル賞受賞者、医療関係者、ジャーナリストなど)に出題しました。しかし、その正答率は、なんとチンパンジーがランダムに答えるよりも低いという衝撃的な結果が出たのです。

なぜ、こんなことが起こるのでしょうか? それは、私たちの脳に、大昔のサバイバルには役立ったものの、現代社会を正しく理解するには邪魔になる「10のドラマチックな本能」が組み込まれているからです。

『ファクトフルネス』とは、この本能に気づき、事実に基づいて判断する「心の習慣」なのです。

思い込みを打ち破る「10の思考法」

では、具体的にどんな本能が、私たちの目を曇らせているのでしょうか?

1. 分断本能:「金持ち」と「貧乏」の2つしかない、という思い込み

本能:私たちは、物事を2つの対立するグループに分けたがります。(例:「先進国」と「途上国」、「勝ち組」と「負け組」)
事実:世界のほとんどの物事には、2つの極端な例の間に、広大な「中間層」が存在します。世界の国々の大半は、もはや「途上国」ではなく「中所得国」なのです。
処方箋
「分断」ではなく、「グラデーション」で見る。 極端な例だけでなく、中間層に目を向けましょう。

2. ネガティブ本能:「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み

本能:私たちは、ポジティブな情報よりも、ネガティブな情報に強く反応します。
事実:極度の貧困にある人々の割合は、この20年で半分になりました。子どもの死亡率、識字率など、世界の多くの指標は、劇的に改善しています。
処方箋「悪いニュース」と「改善しているニュース」は両立する、と知る。 ゆっくりとした改善は、ニュースになりにくいだけなのです。

3. 直線本能:「このままいけば、こうなる」という思い込み

本能:私たちは、グラフの線が、このまままっすぐ伸び続けると考えがちです。
事実:世界の人口増加のグラフも、子どもの成長曲線のように、いずれは緩やかになります。直線的な変化は、実は稀なのです。
処方箋「線は、曲がることもある」と知る。 あらゆる種類のグラフの形を学びましょう。

4. 恐怖本能:「怖いもの」を、過大評価してしまう思い込み

本能:私たちは、自然災害やテロ、飛行機事故といった、ドラマチックで恐ろしい出来事に、不釣り合いなほどの注意を払います。
事実:統計的に見れば、あなたがそういったことで命を落とす確率は、交通事故や生活習慣病など、ありふれたリスクよりもはるかに低いのです。
処方箋リスクを計算する。 恐怖ではなく、データに基づいて危険度を判断しましょう。

5. 過大視本能:「目の前の数字」がすべて、という思い込み

本能:私たちは、一つの数字だけを見て、その重要性を判断してしまいがちです。
事実:その数字は、何かと比較しなければ、意味を持ちません。
処方箋数字を比較する。割り算をしてみる。 (例:乳幼児の死亡「数」だけでなく、全出生数に対する「割合」を見る)

6. パターン化本能:「一つの例」がすべてに当てはまる、という思い込み

本能:私たちは、一つの例を見て、それがグループ全体の特徴だと一般化してしまいます。(ステレオタイプ)
事実:同じ国、同じ文化の中でも、人々の暮らしは千差万別です。
処方箋自分の分類を疑う。 異質な事例を探し、一つのグループの中にある多様性に目を向けましょう。

7. 宿命本能:「昔からこうだから、これからも変わらない」という思い込み

本能:私たちは、国や文化、宗教には、変わらない本質的な価値観が宿っていると考えがちです。
事実:スウェーデンも、かつては貧しい農業国でした。文化は、岩のように固まっているのではなく、ゆっくりと、しかし確実に変化しています。
処方箋ゆっくりとした変化にも気づく。 自分の知識をアップデートし続けましょう。

8. 単純化本能:「問題の原因は一つだ」という思い込み

本能:私たちは、複雑な問題に対して、シンプルな原因と解決策を求めてしまいます。
事実:世の中のほとんどの問題は、様々な要因が絡み合った、複雑なシステムです。
処方箋自分の考えを検証する。 専門家であっても、自分の専門分野だけで全てを説明しようとする罠に注意しましょう。

9. 犯人捜し本能:「誰かのせいで、こうなった」という思い込み

本能:何か悪いことが起きると、私たちは特定の誰かや、何かを「犯人」として非難したくなります。
事実:ほとんどの場合、悪い結果は、特定の個人の悪意ではなく、「システム」の問題によって引き起こされます。
処方箋
「犯人」ではなく、「原因」を探す。 「誰を責めるか」ではなく、「どうすれば、このシステムを改善できるか」を考えましょう。

10. 焦り本能:「今すぐ決めないと、手遅れになる」という思い込み

本能:私たちは、「今すぐ」や「最後のチャンス」といった言葉に、冷静な判断力を失います。
事実:本当に「今すぐ」決めなければならないことは、ほとんどありません。
処方箋深呼吸をする。 焦りは、他のすべての本能を増幅させます。時間をかけて、データを集め、冷静に判断しましょう。

まとめ:世界は、あなたが思うより、ずっと良い

『FACTFULNESS』が私たちに与えてくれるのは、盲目的な楽観主義ではありません。 それは、データに基づいて世界を見ることで得られる、冷静な「希望」です。

世界には、まだまだ解決すべき深刻な問題がたくさんあります。しかし、同時に、世界は多くの側面で、着実に良くなっている。この両方を、事実として認識すること。 それこそが、私たちが未来に対して、建設的な一歩を踏み出すための、最も重要な土台となるのです。

さあ、あなたも今日から、この10の思考法を手に、ドラマチックな思い込みから自由になりませんか?

 

 

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