「『嫌われる勇気』を読んで、対人関係の悩みからは解放されたはずなのに…」
「自由にはなった。でも、この自由をどう使えば、本当に幸せになれるんだろう?」
「結局、『愛する』って、どういうことなんだろう?」
もしあなたが、ベストセラー『嫌われる勇気』が示した「自由」を手にしたものの、その先の道筋が見えずに立ち尽くしているのなら、この記事で紹介する一冊の本が、あなたの人生に「幸福」という名の目的地を指し示す、決定的な羅針盤になるかもしれません。
岸見一郎氏・古賀史健氏による『嫌われる勇気』の完結編、『幸せになる勇気』。
この本は、「どうすれば嫌われないか」ではなく、「どうすれば幸せになれるか」を問う本ではありません。 それは、アドラー心理学が最終的に目指す、人生最大のテーマ——「愛」と「自立」について、教育という現場を通じて、あまりにも深く、そして実践的に解き明かした、人生の哲学書なのです。
この記事では、その核心的な教えを、具体的なアクションプランと共に、誰にでも分かるように要約して解説します。
『嫌われる勇気』のその先へ:自由から「幸福」へ
まず、『嫌われる勇気』のおさらいから始めましょう。前作が私たちに与えてくれたのは、「課題の分離」という名の剣でした。他者の課題から自由になり、承認欲求を捨てることで、私たちは対人関係の悩みから解放されました。
しかし、一人でいるために自由になったのではありません。 再び、他者と深く交わるために、私たちは自由になったのです。
『幸せになる勇気』が示すのは、その自由を使って、いかにして他者と「幸福な関係」を築いていくか、という次なるステップです。そして、その答えは、たった一つの言葉に集約されます。
それは「愛」です。
アドラー心理学、最大のテーマ:「愛」とは何か?
本書は、アドラー心理学のゴールが「愛」であると断言します。しかし、それは私たちが考えるような、情熱的に「落ちる」ものではありません。
「愛とは、『決断』である。愛とは、『コミットメント』である」
アドラー心理学における愛とは、感情の産物ではなく、二人の共同体(私たち)を、共に築き上げていくという「意志的な課題(タスク)」なのです。
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「この人が好きだから、一緒にいる」 → これは、感情に依存した、いつ壊れてもおかしくない関係です。
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「この人と、幸せな関係を築くと『決めた』から、一緒にいる」 → これが、アドラーの言う「愛」です。
つまり、幸福な関係とは、運命の相手を探すことではなく、目の前の相手を「運命の人」にすると決意し、そのための努力を続けることなのです。
「愛」に至るための、具体的な3つのステップ
では、どうすればこの「愛」という課題を達成できるのでしょうか?本書は、教育という実践の場を通じて、その道筋を示します。
ステップ1:「尊敬」から始める – すべての対人関係の出発点
「人間は、ただそこにいるだけで、貢献している」
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なぜ重要か?:私たちは、つい相手を「能力」や「条件」で判断してしまいます。しかし、アドラー心理学は、ありのままのその人を、一人の人間として無条件に尊重することから始めよ、と説きます。勉強ができる子も、できない子も、人としての価値は全く同じです。この「尊敬」の眼差しがなければ、対等な「横の関係」は築けません。
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はじめの一歩:相手の「できていること」を探すのをやめ、相手の「存在そのもの」に感謝してみましょう。「いてくれて、ありがとう」と。
ステップ2:「信頼」する – 勇気づけの土台
「信じること。ただし、相手を信じるのではない。相手の『人間性』を信じるのだ」
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なぜ重要か?:尊敬の次に来るのが、「信じる」ことです。これは、相手の行動を条件付きで信じる(信用)のではありません。裏切られる可能性があっても、無条件に相手を信じる「信頼」です。この信頼があるからこそ、人は「自分には、自分の力で課題を解決する能力がある」と信じられるようになり、一歩を踏み出す勇気を持つことができます。
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はじめの一歩:子どもや部下に対して、すぐに答えを教えるのをやめてみましょう。「君ならどう考える?」と問いかけ、その人の力を信じて、待ってみるのです。
ステップ3:「貢献」する – 幸福の正体
「幸福とは、貢献感である」
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なぜ重要か?:尊敬と信頼を土台にして初めて、私たちは本当の意味での「他者貢献」ができます。それは、自己犠牲ではありません。「自分は、この共同体(家族、職場、地域社会)の役に立っている」という主観的な感覚、この「貢献感」こそが、幸福の正体だとアドラーは断言します。
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はじめの一歩:「ありがとう」という言葉を、意識して使ってみましょう。「ありがとう」は、相手への貢献を伝え、相手を勇気づける、最もシンプルで強力な魔法です。
まとめ:幸福とは、「幸せになる勇気」を持つこと
『幸せになる勇気』が私たちに教えてくれるのは、幸福が、誰かから与えられるものではない、ということです。 それは、ごく当たり前の日常の中で、目の前の人を尊敬し、信頼し、貢献するという、地道な対人関係を、自ら築き上げていく「勇気」の中にしか、存在しないのです。
愛とは、技術であり、意志です。 幸福とは、技術であり、勇気です。
さあ、あなたも今日から、目の前の誰かを「尊敬」することから、始めてみませんか? その小さな一歩が、あなたの人生を、本当の意味での「幸福」へと導いてくれるはずです。
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