【RSI(相対力指数)】の真実:買われすぎ売られすぎの本当の意味

投資分析・短期トレード・基礎用語学科

「お金持ち養成大学」へようこそ。
テクニカル分析を学び始めた人が、最初に覚えるオシレーター系の指標。それが【RSI】(Relative Strength Index)です。

教科書にはこう書いてあります。 「RSIが70%を超えたら『買われすぎ』なので売り。30%を割ったら『売られすぎ』なので買い」 非常にシンプルで、分かりやすいルールです。

しかし、もしあなたがこのルールを盲信して、強い上昇トレンドの最中に「70%を超えたから」といって空売りを仕掛けたらどうなるでしょうか? おそらく、資産の半分を失うことになるでしょう。

この記事は、あなたが教科書通りの知識で火傷するのを防ぎ、RSIが機能する場面と機能しない場面を見極めるための、実践的な取り扱い説明書です。

第1章:【RSI】とは何か? 市場の“体温計”である

RSIは、一定期間(通常14日間)の値動きの中で、「上昇した値幅」がどれくらいの割合を占めているかを、0%〜100%の数値で示したものです。

  • 50%:買いと売りの勢力が互角。

  • 100%に近づく:上昇の勢いが圧倒的に強い(熱狂)。

  • 0%に近づく:下落の勢いが圧倒的に強い(悲観)。

いわば市場が今どれくらい熱くなっているか(あるいは冷え込んでいるか)を測る【体温計】のようなものです。

第2章:教科書通りの「逆張り」が通用しない瞬間

多くの初心者が陥る罠。それは『強いトレンド相場ではRSIは天井に張り付く』という性質を知らないことです。

強烈な上昇トレンドが発生している時、RSIはすぐに70%、80%を超えます。 しかし、株価はそこから下がるどころか、RSIを80%付近に張り付かせたまま、さらにグングン上昇し続けるのです。

この時、RSIが示しているのは「買われすぎ(=もう下がる)」ではありません。
『買いの勢いが圧倒的に強く、誰も売りたがっていない(=まだまだ上がる)』という、超・強気のサインなのです。 この状態で「70%超え=売り」という逆張りを仕掛けるのは、暴走するダンプカーの前に立ちはだかるような自殺行為です。

第3章:RSIが真価を発揮する「2つの使い方」

では、RSIはどう使うのが正解なのでしょうか?

  1. 【レンジ相場】での逆張り(王道)

    • 明確なトレンドが出ていない、一定の幅で動いている「ボックス相場」の時。

    • この時こそ、教科書通り「70%で売り、30%で買い」が、面白いように機能します。RSIは、行ったり来たりする相場の【振り子】を捉えるのが得意なのです。

  2. 【ダイバージェンス(逆行現象)】での反転察知

    • 株価は「高値を更新」して上がっているのに、RSIは「高値を切り下げ」て下がっている状態(弱気のダイバージェンス)。

    • これは、「株価は上がっているが、上昇のエネルギー(エンジンの回転数)は落ちてきている」ことを示します。

    • トレンドの最終局面でこれが出たら、強力な【天井(反転)のサイン】です。

第4章:学園長がRSIを「パニックの温度計」として使う時

私は、インデックス投資の「買い増し」タイミングを計るために、このRSIを愛用しています。ただし使うのは「売り(70%)」の時ではありません。「買い(30%以下)」の時だけです。

ジョン・テンプルトン(John Templeton)氏の有名な名言をご紹介します。
強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく
これは人が恐れている時に投資し、まだ下がるんじゃないかと感じる局面で上昇する。上昇が続き人が安堵している時に山を作り、盲信している時に暴落が起きるという投資の格言です。

市場全体が暴落し、ニュースが悲観一色になった時。
私は、S&P500などの指数の【週足RSI】や【日足RSI】を見ます。 もしRSIが【30%】を割り込み、さらに【20%】付近まで低下していたら?

それは、市場が「売られすぎ」というレベルを超えて、「パニックで理性を失い、本来の価値を無視して投げ売りされている」状態(セリング・クライマックス)であることを示唆しています。 「今は異常事態だ。バーゲンセールだ」 RSIという客観的な数値が、恐怖で凍りついた私の背中を押し、「買いボタン」を押させてくれるのです。

私にとってRSIは、相場の過熱感を知るためというより、市場の【悲鳴(パニック)】を検知するためのセンサーなのです。

まとめ:あなたは“相場の体温管理士”たれ

RSIは、相場の「熱」を測る優れた温度計です。 しかし、熱があるからといって、すぐに冷やせばいい(逆張り)とは限りません。時には、その熱が記録的な記録を生むエネルギーになることもあります。

状況(トレンドかレンジか)を見極め、温度計の数値を正しく解釈する。

今日からあなたは、数値だけを見て反応する機械ではありません。 市場の体温から健康状態を診断する、賢明なる相場の体温管理士なのです。

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