【要約】Team Topologies|なぜあなたの組織はサイロ化し開発スピードが上がらないのか?

ビジネス書籍教材学部

「チーム間の連携が悪く、簡単な修正にも数週間かかってしまう…」
「事業の成長に合わせて組織を拡大したら、逆に生産性が落ちてしまった…」
「優秀なエンジニアを採用しているはずなのに、なぜかイノベーションが生まれない…」

もし、あなたの組織がこのような「成長の壁」にぶつかっているなら、その原因はメンバー個人の能力ではなく、時代遅れの「チーム構造」そのものにあるのかもしれません。

今回ご紹介する『Team Topologies』は、変化の速い現代において、ソフトウェアのデリバリー速度を最大化するための、全く新しい「チームの設計図」を提示する一冊です。

この記事では、本書の核心である4つのチームタイプ3つの連携モードを、あなたの組織を自己進化する生命体へと変えるための具体的なアクションと共に解説します。

すべての問題の根源:チームの「認知負荷(コグニティブ・ロード)」

本書は、チームのパフォーマンスを制限する根本的な原因は「認知負荷」、つまり「チームが一度に扱える情報の限界量」にあると指摘します。

あなたのチームは、あまりにも多くの責任を押し付けられていませんか?
新しい機能開発、インフラの運用、技術的負債の返済、他チームとの複雑な調整…これら全てを一つのチームが担うのは、脳がオーバーヒートしているのと同じ状態です。

その結果、チームは新しいことを学ぶ余裕を失い、ただ目の前の作業をこなすだけで精一杯になってしまいます。
『Team Topologies』は、この
認知負荷を意図的に管理し、最適化することこそが、モダンな組織設計の出発点だと説きます。

変化に強い組織を創る「4つのチームタイプ」

本書は、従来の「フロントエンドチーム」「バックエンドチーム」といった技術的な分類ではなく、目的と責任範囲に基づいた4つの基本的なチームタイプを定義します。

1. ストリームアラインドチーム (Stream-aligned Team)

  • 役割: 顧客に直接的な価値を届ける、一つの仕事の流れ(Stream)に責任を持つ、組織の最も基本的なチーム。製品、機能、ユーザー体験など、ビジネスに沿った形で編成されます。

  • 例: 「ECサイトの決済機能チーム」「モバイルアプリの新規登録フローチーム」

  • ポイント: このチームが他のチームに依存せず、自律的に開発から運用までを行えるようにすることが、組織全体のスピードを決定づけます。

2. プラットフォームチーム (Platform Team)

  • 役割: ストリームアラインドチームが開発に集中できるよう、信頼性の高い共通基盤(プラットフォーム)を「サービス」として提供するチーム。

  • 例: 「社内向けクラウド基盤チーム」「CI/CDパイプライン提供チーム」

  • ポイント: 彼らの仕事は、ツールを作って終わりではありません。ストリームアラインドチームという「顧客」が、いかに簡単に、セルフサービスで使えるかを追求します。

3. コンプリケイテッド・サブシステムチーム (Complicated-subsystem Team)

  • 役割: 数学的なアルゴリズムや物理エンジンなど、非常に高度で専門的な知識が必要な、複雑なサブシステムを担当するチーム。

  • 例: 「動画エンコードエンジン開発チーム」「顔認証アルゴリズム専門チーム」

  • ポイント: このチームの目的は、複雑さをカプセル化し、他のチームがその専門知識なしに、簡単にその機能を利用できるようにすることです。

4. イネイブリングチーム (Enabling Team)

  • 役割: 特定の技術領域の専門家集団。ストリームアラインドチームが新しい技術を習得したり、課題を解決したりするのを「支援(イネーブル)」するコーチのような存在。

  • 例: 「SRE(サイト信頼性エンジニアリング)ベストプラクティス導入支援チーム」「セキュリティ強化推進チーム」

  • ポイント: 彼らは問題を代わりに解決するのではなく、あくまで「教える」「手伝う」ことで、ストリームアラインドチームの能力向上を促します。支援が終われば、解散するか、次のチームへ向かいます。

チーム間の連携をスムーズ化「3つのインタラクションモード」

4つのチームを定義するだけでは不十分です。これらのチームが、どのように連携すべきかを明確に定義する必要があります。

  • コラボレーション (Collaboration)

    • 2つのチームが、一定期間、緊密に協力して新しい技術やAPIの仕様などを発見・探求するモード。

    • 目的: 不確実性の高い問題の共同解決。

  • X-アズ・ア・サービス (X-as-a-Service)

    • あるチームが、別のチームに対して、APIやツールなどを明確なサービスとして提供するモード。利用する側は、その内部実装を気にする必要がありません。

    • 目的: 依存関係の最小化と、利用側のスピード向上。

  • ファシリテーション (Facilitating)

    • あるチーム(主にイネイブリングチーム)が、別のチームが知識やスキルを身につけるのを手助けするモード。

    • 目的: 相手チームの能力向上。

どんな人におすすめ?

  • 事業の成長に伴う、組織のサイロ化やコミュニケーションの複雑化に悩むCTO、VPoE、エンジニアリングマネージャー

  • 開発チームの生産性を向上させたいテックリード、アーキテクト

  • アジャイル開発やDevOpsを、組織レベルでスケールさせたいと考えているリーダー

  • これから新しいサービスや事業を立ち上げるスタートアップの経営者

まとめ

『Team Topologies』が示すのは、組織構造は、生み出されるソフトウェアの構造を決定づける(コンウェイの法則)という事実を受け入れ、それを逆手にとって、望ましいアーキテクチャを生み出すために、意図的にチームを設計するというアプローチです。

あなたの組織は、過去の慣習や惰性で編成されていませんか?

まずは、現在のチームが4つのタイプのうちどれに当てはまるのか、そしてチーム間の連携が3つのモードのどれでなされているのかを可視化することから始めてみてはいかがでしょうか。それが、あなたの組織を進化させるための、重要な第一歩となるはずです。

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