「会社のルールや階層構造が、息苦しくてたまらない…」
「仕事に『やらされ感』しかなく、自分の存在意義が見出せない…」
「利益だけを追求する組織のあり方に、もう限界を感じている…」
もし、あなたがこのような「魂のない機械」のような組織に違和感を抱いているなら、人類の働き方が、今まさに新しいステージへと進化しようとしていることをご存知でしょうか?
今回ご紹介する『ティール組織』は、世界中の先進的な企業で静かに広まっている、マネージャーも階層も存在しない、生命体のような次世代型組織の姿を明らかにした一冊です。
この記事では、本書の核心である「ティール組織」を支える3つのブレークスルーを、あなたの組織観を根底から覆す具体的な事例と共に解説します。
組織は「進化」する:5つの色で見る組織の発達段階
本書は、人類の意識の進化と共に、組織の形も進化してきたと説きます。そして、その発達段階を5つの色で分類しています。
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レッド組織(衝動型): 狼の群れ。恐怖と力で支配される。例:マフィア、ギャング。
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アンバー組織(伝統型): 軍隊。厳格な階層とルールで安定を保つ。例:官僚組織、カトリック教会。
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オレンジ組織(達成型): 機械。革新、実力主義、利益最大化を追求する。例:現代の多くの大企業。
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グリーン組織(多元型): 家族。文化や多様性を重視し、社員をエンパワーメントする。例:サウスウエスト航空、スターバックス。
そして、これらの組織形態を超えた、全く新しいステージとして現れたのが「ティール組織(進化型)」です。
ティール組織を支える「3つのブレークスルー」
ティール組織は、従来の組織が抱えていた問題を、3つの画期的なブレークスルーによって乗り越えます。
1. 自主経営(セルフ・マネジメント)
ティール組織には、マネージャーや階層、指揮命令系統が存在しません。では、どうやって意思決定しているのでしょうか?
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方法:「助言プロセス(アドバイス・プロセス)」 何かを決定したい人は誰でも、①その決定によって大きな影響を受けるすべての人と、②その分野の専門家に助言を求めさえすれば、自分自身で最終決定を下すことができます。上司の承認は不要です。
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具体例: オランダの在宅ケア組織「ビュートゾルフ」では、看護師たちが10〜12人のチームを組み、患者ケアから採用、予算管理まで、すべての業務を自分たちで決定します。
本社には管理部門がなく、コーチが各チームを支援するだけです。 -
効果: メンバーは「やらされ仕事」ではなく、自らの意思決定に責任を持つ「オーナー」となり、モチベーションとスピードが飛躍的に向上します。
2. 全体性(ホールネス)
従来の組織では、感情や弱さ、プライベートな側面を隠し「プロフェッショナル」という仮面を被ることが求められました。
ティール組織は、この仮面を脱ぎ捨て、ありのままの自分でいられる「安全な場」を創ることを重視します。
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方法:
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チェックイン: 会議の冒頭で、参加者全員が今の気持ちや状態を簡単に共有する。
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ストーリーテリング: 失敗談や個人的な葛藤をオープンに語り合う場を設ける。
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効果: メンバー間の信頼関係が深まり、創造性やエネルギーが解放されます。心理的安全性が確保されることで、本質的な議論が可能になります。
3. 存在目的(エボリューショナリー・パーパス)
オレンジ組織が「市場を予測し、コントロールしようとする」のに対し、ティール組織は「組織自らが持つ独自の目的(存在目的)に、耳を澄ませ、それに従って進化していく」と考えます。
組織を、経営者が所有する機械ではなく、独自の魂を持つ生命体として捉えるのです。
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方法:
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目標設定の撤廃: 売上目標やノルマを設定する代わりに、「私たちの目的のために、今何をすべきか?」を問い続ける。
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空席の椅子: 会議に、組織の「存在目的」を擬人化した「空席の椅子」を置き、「この椅子に座る“目的”さんなら、この決定をどう思うだろうか?」と問いかける。
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効果: メンバーは、個人的なエゴや利益を超えた、より大きな目的のために働くようになり、仕事に深い意味と充足感を見出すことができます。
どんな人におすすめ?
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既存のヒエラルキー型組織に限界や息苦しさを感じている、すべてのリーダー
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これから新しい会社やNPOを立ち上げる起業家
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人事や組織開発の分野で、本質的な変革を目指しているプロフェッショナル
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自分の仕事や働き方に、より深い「意味」や「目的」を求めているすべての人
まとめ
『ティール組織』が示すのは、単なる新しいマネジメント手法ではありません。
それは、私たちの働き方、そして生き方のOSそのものをアップデートする、壮大な可能性です。
もちろん、明日からあなたの会社がすぐにティール組織になれるわけではありません。しかし、その思想に触れることは、あなたの組織を見る目を永遠に変えてしまうでしょう。
まずは、次回のチームミーティングの冒頭で、「チェックイン」を試してみることから始めてみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、あなたの組織が生命体として進化していく、始まりになるかもしれません。
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