【オシレーター系】指標の限界:なぜ強いトレンド相場では「RSI」が役に立たないのか?

投資分析・短期トレード・基礎用語学科

「お金持ち養成大学」へようこそ。

「RSIが70%を超えたから売りだ!」
「ストキャスティクスがクロスしたから買いだ!」
教科書通りに売買しているのに、なぜか勝てない。それどころか、売った瞬間に株価がさらに急騰して、踏み上げられた…。
そんな悔しい経験はありませんか?

それは、あなたが使っている道具(指標)が悪いのではありません。 あなたが戦っている【場所(相場環境)】と、手に持っている【武器(指標)】の相性が、最悪だからです。

RSIなどの【オシレーター系】指標は、特定の環境下では無敵の強さを誇りますが、ひとたび「強いトレンド」が発生すると、途端に役に立たない「ガラクタ」と化します。
この記事は、道具の「限界」を知り、戦況に応じて最適な武器を持ち替えるための、上級テクニカル講義です。

第1章:【オシレーター系】とは? 「振り子」の理論

テクニカル指標は、大きく2つのグループに分けられます。

  1. 【トレンド系】移動平均線MACDボリンジャーバンドなど)

    • 「今の流れ(トレンド)はどっちか?」を教えてくれる。順張りに強い。

  2. 【オシレーター系】RSIストキャスティクスRCIなど)

    • 「買われすぎか、売られすぎか(過熱感)」を教えてくれる。逆張りに強い。

オシレーター(Oscillator)とは、「振り子」や「振動」という意味です。
つまりこれらの指標は、『相場は、一定の範囲内を行ったり来たりする(レンジ相場である)』という大前提のもとに作られています。
振り子が右に行き過ぎたら(買われすぎ)、次は必ず左に戻る(売られる)。この「平均への回帰」を狙うのが、オシレーター系の基本戦略です。

第2章:なぜ「強いトレンド」では役に立たないのか?

しかし相場には時として、振り子の法則を無視する【強いトレンド】が発生します。 重力に逆らって、振り子が天井に張り付いたまま動かなくなるような状態です。

この時、オシレーター系指標には、致命的な欠陥が露呈します。

  • 欠陥①:【張り付き(グルー)】現象

    • 強い上昇トレンドでは、RSIはすぐに「70%(売りサイン)」に達します。

    • しかし、株価はそこから下がるどころか、RSIを「80%…90%…」と高水準に張り付かせたまま、さらに上昇を続けます。

    • ここで「売りサインだ!」と信じて空売りをした投資家は、青天井の上昇に巻き込まれ、資産を焼かれます。

  • 欠陥②:【感度の麻痺】

    • トレンドが強すぎると、計算式の上限(100%)に近づきすぎて、指標が微動だにしなくなります。

    • 「メーターが振り切れて壊れた状態」であり、もはや何のシグナルも出してくれません。

『強いトレンド相場において、オシレーター系の「買われすぎ」は、「売りサイン」ではない。「超・強力な買いサイン」である』 このパラドックスを理解していないと、大怪我をすることになります。

第3章:プロはどうやって「武器」を持ち替えるのか?

では、プロはどうしているのでしょうか? 彼らは、相場の状況に合わせて、見るべき指標をカメレオンのように切り替えています。

  1. 【レンジ相場】(横ばい)の時

    • 主役:【オシレーター系(RSIなど)】

    • トレンド系(移動平均線など)は絡み合って役に立たないので無視し、RSIの「逆張り」でコツコツ利益を抜きます。

  2. 【トレンド相場】(急騰・急落)の時

    • 主役:【トレンド系(移動平均線、MACD)】

    • オシレーター系は「ダマシ」ばかりになるので画面から消し、移動平均線の「順張り」で大きな波に乗ります。

「今がどっちの相場か?」を見極めるには、【ボリンジャーバンド】が役立ちます。
バンドが横ばいなら「レンジ(オシレーターの出番)」、バンドが拡大(エクスパンション)したら「トレンド(トレンド系の出番)」です。

第4章:学園長が「RSI」をあえて“無視”する瞬間

私も、過去に強い上昇トレンドの中でRSIの「売りサイン」を真に受け、早すぎる利益確定をしてしまい、その後の大きな利益を取り逃がした経験が何度もあります。

今の私は、明確な上昇トレンド(例えば、移動平均線がパーフェクトオーダーの時など)が発生している時は、【オシレーター系の数値を、あえて無視する】というルールを持っています。

保有している株を全部を売買しようとすると、当然いつまでも「怖い」が出てしまいますよね?
だから【30%利益確定枠】と【70%保有枠】を自分のルールに据えることで、思った以上に伸びた時に70%の保有枠が成長を続け、「そろそろかな?」という分析通りに下落が来たらきたで30%利益確定枠の現金が底値を拾うチャンスに繋がります。

チャートの画面設定を変え、RSIを非表示にすることさえあります。
なぜなら、目に入るとどうしても「高すぎる、怖い」という感情が湧いてしまうからです。
「新幹線が最高速度で走っている時に、スピードメーター(オシレーター)を見て『速すぎる!』とブレーキを踏んでも、電車は止まらない」 強いトレンドが発生している時は、速度(過熱感)を気にするのではなく、線路(トレンドライン)がどこまで続いているかだけを見る。
道具に使われるのではなく、道具を「見ない」という選択肢を持つことも、重要な技術なのです。

まとめ:あなたは“武器庫の管理者”たれ

一つの指標だけで、全ての相場を勝ち抜くことは不可能です。 それは、ドライバー一本で家を建てようとするようなものです。

釘を打つならハンマー(トレンド系)、ネジを回すならドライバー(オシレーター系)。

今日からあなたは、一つの道具に固執する職人ではありません。 相場という現場に合わせて、最適な道具を瞬時に選び出す、賢明なる武器庫の管理者なのです。

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